2016年12月08日

Scythe(サイズ)の魅力

​このエントリーは、「ボドゲ紹介 Advent Calendar 2016」の8番目のエントリーとして書きました。

どうもお久しぶりです。うぃりあむです。1年ぶりの執筆になってしまいました。
今回は「サイズ」(Scythe。「大鎌戦役」という呼称もあります)について書きたいと思います。
Scythe_BOX_render03102015-768x618.jpg
サイズは農工と戦闘をミックスした1〜5人用のワーカープレイスメントタイプのゲームで、作者はViticultureやEuphoriaを手掛けたJamey Stegmaier、2016年にStoneMaier Gamesから発売されています。
http://stonemaiergames.com/games/scythe/

この夏(2016年)サイズを手にして以来、いろんな方に勧めたり、サイズばかり3卓立てるゲーム会を開催したりと普及に努めて参りましたが(笑)、それもこれもサイズが魅力あふれるゲームだったからに他なりません。少し具体的にその魅力に迫ってみましょう。

■コンポーネントが豪華
写真に並べたのが、私が購入したSpecial Editionに含まれているコンポーネントです。
IMG_2603.JPG
まず目に付くのはフィギュアではないでしょうか。プレイヤーは5つの「勢力」のいずれかを担当しますが、それぞれ主人公となるキャラクターや、ワーカーを運んだり戦闘ができる「メック」が勢力毎に固有フィギュアとして設定されています。

次に駒類を見てみましょう。
IMG_2604.JPG
まずリソーストークン。食料、木材、金属、原油があり、生産や交易をすることによって入手できます。どれも細工が細かく美しいです。これらの資源をもとに建築物を建てたり、補充兵を雇ったり、メックを配備したり、自軍の技術をアップグレードしたりして行きます。

IMG_2605.JPG
建築物です。左から風車、武器庫、鉱山、記念碑になります。色は勢力ごとに5色、他のパブリッシャーではあまり見られない(私好みの中間色的な)色付けがされているのもStonemaier Gamesのゲームの魅力でもあります。

IMG_2606.JPG
ワーカーです。ワーカーの形状が勢力によって異なるのもプレイヤー心をくすぐります。ワーカーが村にいるときに生産を行うことで増やすことができますが、たくさんのワーカーを配置してしまうと、生産のコストが上がってしまうので注意が必要です。

IMG_2607.JPG
星トークンです。攻撃力を最大にする、民心を最大にする、メックを4体とも配備するなどの目標を達成すると勝利トラックに星トークンを置くことができ、これがゲームの最大の目的になります。いずれかのプレイヤーが6つの星トークンを置いた瞬間にゲームが終了し、最終得点計算を行います。

IMG_2608.JPG
なおコレクターズエディションやキックスターターで販売された
特別なパッケージにはメタルコインやリアルトークンといった特別なアイテムが用意されており(私は別売りで購入しました)、より一層豪華なコンポーネントでゲームを楽しむことができます。


■遊ぶたびに異なるゲーム体験ができる
IMG_2609.JPG
前述の通りプレイヤーは5つの勢力からランダムに決められた勢力を担当するのですが、例えばノルディック(青)であればワーカーが渡河能力がある等、各勢力は固有の能力を持っています。またメックを配備するごとに追加される能力も勢力ごとに異なっています。

IMG_2611.JPG
更にプレイヤーごとに与えらるプレイヤーマットも5種類あります。各シートは基本となる上段アクション(移動、交易、武装、生産)と、ゲームをより有利にするための下段アクション(配備、建築、徴兵、アップグレード)との組み合わせ、および下段アクションのコストと報酬が微妙に異なっています。
これによって5勢力×5つのプレイヤーマットで25通りの遊び方ができるわけです。


■美麗なグラフィック
IMG_2612.JPG
写真は遭遇カードです。キャラクターが遭遇トークンのある領域に侵入すると遭遇カードの効果を解決し、お金や資源、メックなどが入手できます。一枚一枚がユニークなグラフィックになっており、箱絵とともにゲームの雰囲気を盛り上げてくれます。

IMG_2613.JPG
こちらはファクトリーカード。ゲームボード中央にあるファクトリーにキャラクターが侵入すると入手でき、アクションの選択肢を増やすことができます。こちらもグラフィックは各カードユニークです。


■意外とシンプルなルール
サイズはワーカープレイスメントタイプのゲームです。手番プレイヤーはプレイヤーシートの4つあるアクションエリアから1つを選び、上段アクションまたは下段アクションのいずれかまたは両方を実行する、というのが基本線となってゲームが進行して行きます。その他、主なルールを書き出して見ましょう。
IMG_2614.JPG
・ワーカーがいる地域で生産が行われるとその地域の資源が生産される
・他勢力のワーカーがいる地域にキャラクターやメックを侵入させると、ワーカーは本拠地に戻すことができるが、その分民心を減らさなければならない
・キャラクターとメックは戦闘を行うことができる。またゲーム開始当初は河を渡ることができないが、メックを配備することによって渡河能力を身に付けることができる
IMG_2615.JPG
・戦闘は戦闘ダイヤルに消費する戦力値をセットし同時に見せ合う。投入したキャラクターとメックの数の分だけ戦闘カードを追加することができる。敗北した勢力のユニット
本拠地に戻される
・最終得点計算後、一番お金を持っているプレイヤーが勝利。建築物ボーナスに加え、置いた星トークンや占有している領地、保有している資源2個ごとにボーナスが得られるが、得られる単価は民心が高いほど高価になる
ルールブックは32ページ、「重ゲー」の範疇に入ることは間違いないですしインストも1時間近くかかるのですが、今あげた基本的なルールが頭に入ってしまえばゲームはスムーズに進行していきますし、実際「遊んでみたら思ったほど難しくなかった」という声もよく聞きます。


いかがでしたでしょうか。まだ日本で本格的に流通しているとは言い難い状況なのですが、機会があったら是非遊んでみて下さい。決して期待を裏切らないゲームだと思いますよ。


このブログ的には、ソロプレイ用のAutoma(オートマ)というシステムを分析することで、ヴァリアントの新たな方向性みたいなものを語りたいところではあるのですが、それはまた稿を改めたいと思います。

それでは、また。

posted by うぃりあむ(Twitter:@william_vets) at 00:00| Comment(0) | ボードゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月12日

「モーモートレトレ」1人、2人用ヴァリアント

キングダイズゲームさんの「モーモートレトレ」は3〜5人用のゲームですが、少人数で遊ぶためのヴァリアントを考えてみました。バッティング要素のあるゲームですので本道から外れる気もするのですが、かわいいカード達を3人集まるまで放っておく手はありません。お試しあれ。
----------------------------------
モーモートレトレ 1人、2人用ヴァリアント

<共通ルール>
・3人プレイヤーとして遊びます。1人のときは2人のダミー(AI)プレイヤーを、2人のときは1人のダミープレイヤーを参加させます。

・ラウンドの開始時、ダミープレイヤーにはトレトレカードを配りません。人間プレイヤーが使用するトレトレカードを公開したあと、ダミープレイヤーに指示カードの星の数の枚数分トレトレカードの山札から表向きに配ります。

・ダミープレイヤーのトレトレカードの合計と数字の宣言は次のように計算します。
a)±のカードは全て+として計算します。
(例)ダミープレイヤーのカードが0、2、3、±2だった場合、合計は7になります。
b)トレトレカードの数字を合計しても公開されている牧場マーカーの数字に一致しない場合、1個または2個のUFOチップを「+」の数字として追加します。UFOチップを追加して一致する牧場マーカーが複数ある場合、最も小さな数字の牧場マーカーに一致するようにUFOチップを追加します。
(例)カードの合計が7で公開されている牧場チップが3、6、9、4、8だった場合、そのダミープレイヤーは+1のUFOチップを出し、8を宣言したことになります。
c)トレトレカードの合計が公開されている牧場マーカーの最大の数字を超えている場合、1個または2個のUFOチップを「-」の数字として追加して最大の牧場マーカーの数字にします。2つのUFOチップを使っても最大の牧場マーカーの数字に一致できない場合、そのダミープレイヤーは「ブタ」になります。
(例)カードの合計が12で公開されている牧場チップが3、6、9、5、10だった場合、そのダミープレイヤーは-2のUFOチップを出し、10を宣言したことになります。
(例)カードの合計が12で公開されている牧場チップが3、6、4、8、5だった場合、そのダミープレイヤーは「ブタ」を宣言したことになります。
d)いずれの場合も、ダミープレイヤーのUFOチップは裏にせずに戻します。

・ダミープレイヤーはUFOチップによるボーナス得点を得ません

<1人用ヴァリアント>
・人間プレイヤーがリーダーとなり、ダミープレイヤー1、ダミープレイヤー2の順にリーダーが変わります。通常通り、リーダーが2周したらゲーム終了です。

<2人用ヴァリアント>
・まず人間プレイヤーの間で最初のリーダーを決めます。

・時計回りに3番手のプレイヤーとしてダミープレイヤーがプレイすることとします。

・リーダーが1周して2周目に入ったら、山分けルールでカードを取る順番を反時計回りにします。 リーダーチップは従来通り時計回りに渡します。
----------------------------------

2015.10.13追記
1P用は簡単すぎちゃうと思うので、ダミープレイヤー2人分との合計得点との闘いにすると、ぐっと難易度が上がると思いますw。
posted by うぃりあむ(Twitter:@william_vets) at 17:01| Comment(0) | ボードゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月14日

アナログゲームの用語に思うこと その3「ターン、手番」

 アナログゲームの用語について考察を加えるという無謀な企画の三回目、今回は「ターン」そして「手番」について考えてみようと思います。

 まずは「ターン」から。某カードゲームを扱った有名なアニメの登場人物達が「俺のターン、ドロー!」という台詞を繰り返し繰り返し発していたことから、すっかり「ターン」という用語は日本国内でもかなり一般的になった気がします(気のせいかもしれません)。

 「ターン」の英単語 ”turn" を辞書で引いてみますと、名詞としては「回転」という意味合いと「番(順番)」という意味合いの二つが表記されていました。アナログゲームにおいて、「ターン」という用語はまさに「番」という意味で使われています。ゲームにおいてなんらかの動作をする番が回ってくることという意味で、本来「回る」という語意を持つ "turn" が「番」として使われていると推測されます。

 各プレイヤーが自分のターンを繰り返すことによってゲームが進行し終了することから、「ターン」は「ゲーム」を構成する要素と言えます。また前回の「ラウンド」との比較においても、各プレイヤーが自分のターンを1度(もしくは数度)行うことによってラウンドが終了することを考えると、「ターン」は「ラウンド」を構成する要素とも言えます。よってこの様な式が成り立つはずです。

 ゲーム>ラウンド>ターン
 (本来集合記号などを使うべきなのでしょうけど、一般的でないので不等号で表してみました)


 「ラウンド」がないゲームがあるのと同様に「ターン」がないゲームももちろんあります。たとえば「うすのろまぬけ」。このトランプゲームは、すべてのプレイヤーが同時に「手札から1枚選んで全員同時に左隣のプレイヤーにわたす」というアクションを行います。ここに「順番」は介在しませんから、「ターン」はないゲームということが出来ます。
 (余談ですが先日「シャシャワ」という、「うすのろまぬけ」と同様のシステムのゲームを遊びました。大人同士で真剣に中央のチップを取り合う姿が周囲からどう映ったか不安ではありましたが、ゲームはとても盛り上がり、私はとても楽しめました。フィジカルなアクションが伴うゲームは偉大です。)


 一方の「手番」です。日本においては「ターン」と同様の意味合いで「手番」という用語も頻繁に使われています。この二つ、似ているようで若干違いがあることに気がつきました。マニュアル上の表記で「手番のプレイヤーは…を行う」と表記するのと、「ターンのプレイヤーは…を行う」と表記することを比べた場合、後者では意味が通じない気がするのです。ではこれはなぜなのでしょう。

 ひとまず二つの用語を仮に定義してみました。
 ・手番:特定のプレイヤーが、なんらかの行動を起こす番である状態。例:「手番のプレイヤーはまず山札から一枚カードを引きます」
 ・ターン:特定のプレイヤーが行動を起こす、はじめから終わりまでの期間。例:「ターン中のプレイヤーはまず山札から一枚カードを引きます」

 マニュアル上「手番のプレイヤー」という言い回しを「「ターン」という用語を使って表そうとした場合、「ターン中」と言った方が意味が通じやすい様に思いますが、いかがでしょうか。
 まぁ大した問題ではないですね。

 私の想像力が不足していることは重々承知の上ではあるのですが、「手番」よりも「ターン」という用語を使った方が似つかわしいゲームを思いつきました。「一人様ゲームでターン数をカウントし、それが得点に結びつくゲーム」。こうしたゲームでは行ったターン数をカウントするため、「10回目の手番」というよりも「第10ターン」の方が聞こえがいいと思います。

 いずれにしても、日本においては「ターン」と「手番」はほぼ同義として使われていると思いますし、先に挙げたごく一部の例外をのぞいて、どちらを使ってもよいと思います。


 なお前回考察した「ラウンド」と、今回の「ターン・手番」の違いはなんでしょうか。英語で”a turn" と言った場合は「一巡」という意味があるため、「ターン」と「ラウンド」は混同されがちなのではないかと想像しております。
 私はこのように区別すべきと思っております。
 ・ターン:特定のプレイヤーが行動を起こす「番」
 ・ラウンド:プレイヤーの行動が一巡すること

 「ターン」という用語がかなり一般的になっていること、「ラウンド」に「番」といった意味はないことを考えると、「一巡」という意味合いで「ターン」という用語を使うことは混乱を招くんじゃないかな、と思っています。マニュアルで使用する場合は上記のように用語統一することをお勧めしておきます。


 今回お伝えしたかったことをまとめてみます。
 ・「ターン」と「手番」はほぼ同義である
 ・「ターン」という言葉には「期間」といった意味合いもある
 ・ターンはラウンドやゲームを構成する要素であり、ターンとラウンドの誤用は避けること


 次回は「フェイズ」という用語について考えてみようと思います。
posted by うぃりあむ(Twitter:@william_vets) at 22:09| Comment(2) | ボードゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。