2014年12月14日

アナログゲームの用語に思うこと その3「ターン、手番」

 アナログゲームの用語について考察を加えるという無謀な企画の三回目、今回は「ターン」そして「手番」について考えてみようと思います。

 まずは「ターン」から。某カードゲームを扱った有名なアニメの登場人物達が「俺のターン、ドロー!」という台詞を繰り返し繰り返し発していたことから、すっかり「ターン」という用語は日本国内でもかなり一般的になった気がします(気のせいかもしれません)。

 「ターン」の英単語 ”turn" を辞書で引いてみますと、名詞としては「回転」という意味合いと「番(順番)」という意味合いの二つが表記されていました。アナログゲームにおいて、「ターン」という用語はまさに「番」という意味で使われています。ゲームにおいてなんらかの動作をする番が回ってくることという意味で、本来「回る」という語意を持つ "turn" が「番」として使われていると推測されます。

 各プレイヤーが自分のターンを繰り返すことによってゲームが進行し終了することから、「ターン」は「ゲーム」を構成する要素と言えます。また前回の「ラウンド」との比較においても、各プレイヤーが自分のターンを1度(もしくは数度)行うことによってラウンドが終了することを考えると、「ターン」は「ラウンド」を構成する要素とも言えます。よってこの様な式が成り立つはずです。

 ゲーム>ラウンド>ターン
 (本来集合記号などを使うべきなのでしょうけど、一般的でないので不等号で表してみました)


 「ラウンド」がないゲームがあるのと同様に「ターン」がないゲームももちろんあります。たとえば「うすのろまぬけ」。このトランプゲームは、すべてのプレイヤーが同時に「手札から1枚選んで全員同時に左隣のプレイヤーにわたす」というアクションを行います。ここに「順番」は介在しませんから、「ターン」はないゲームということが出来ます。
 (余談ですが先日「シャシャワ」という、「うすのろまぬけ」と同様のシステムのゲームを遊びました。大人同士で真剣に中央のチップを取り合う姿が周囲からどう映ったか不安ではありましたが、ゲームはとても盛り上がり、私はとても楽しめました。フィジカルなアクションが伴うゲームは偉大です。)


 一方の「手番」です。日本においては「ターン」と同様の意味合いで「手番」という用語も頻繁に使われています。この二つ、似ているようで若干違いがあることに気がつきました。マニュアル上の表記で「手番のプレイヤーは…を行う」と表記するのと、「ターンのプレイヤーは…を行う」と表記することを比べた場合、後者では意味が通じない気がするのです。ではこれはなぜなのでしょう。

 ひとまず二つの用語を仮に定義してみました。
 ・手番:特定のプレイヤーが、なんらかの行動を起こす番である状態。例:「手番のプレイヤーはまず山札から一枚カードを引きます」
 ・ターン:特定のプレイヤーが行動を起こす、はじめから終わりまでの期間。例:「ターン中のプレイヤーはまず山札から一枚カードを引きます」

 マニュアル上「手番のプレイヤー」という言い回しを「「ターン」という用語を使って表そうとした場合、「ターン中」と言った方が意味が通じやすい様に思いますが、いかがでしょうか。
 まぁ大した問題ではないですね。

 私の想像力が不足していることは重々承知の上ではあるのですが、「手番」よりも「ターン」という用語を使った方が似つかわしいゲームを思いつきました。「一人様ゲームでターン数をカウントし、それが得点に結びつくゲーム」。こうしたゲームでは行ったターン数をカウントするため、「10回目の手番」というよりも「第10ターン」の方が聞こえがいいと思います。

 いずれにしても、日本においては「ターン」と「手番」はほぼ同義として使われていると思いますし、先に挙げたごく一部の例外をのぞいて、どちらを使ってもよいと思います。


 なお前回考察した「ラウンド」と、今回の「ターン・手番」の違いはなんでしょうか。英語で”a turn" と言った場合は「一巡」という意味があるため、「ターン」と「ラウンド」は混同されがちなのではないかと想像しております。
 私はこのように区別すべきと思っております。
 ・ターン:特定のプレイヤーが行動を起こす「番」
 ・ラウンド:プレイヤーの行動が一巡すること

 「ターン」という用語がかなり一般的になっていること、「ラウンド」に「番」といった意味はないことを考えると、「一巡」という意味合いで「ターン」という用語を使うことは混乱を招くんじゃないかな、と思っています。マニュアルで使用する場合は上記のように用語統一することをお勧めしておきます。


 今回お伝えしたかったことをまとめてみます。
 ・「ターン」と「手番」はほぼ同義である
 ・「ターン」という言葉には「期間」といった意味合いもある
 ・ターンはラウンドやゲームを構成する要素であり、ターンとラウンドの誤用は避けること


 次回は「フェイズ」という用語について考えてみようと思います。
posted by うぃりあむ(Twitter:@william_vets) at 22:09| Comment(2) | ボードゲーム | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「カルドセプト」ってテーブルゲーム(ビデオゲーム)だと
巡目と同じ定義で「ラウンド」を使ってたような
Posted by 7743MA at 2014年12月14日 23:55
7743MAさん、コメントありがとうございます。超々亀レスになってしまいまして大変もうしわけありません。「巡目」はそのまま「ラウンド」の日本語なので、全プレイヤーが一度ずつプレイすること(まぁあのゲームは一回休みとかあったと思いますがw)をラウンドと言っているのだと想像します。
Posted by うぃりあむ at 2015年05月13日 12:58
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