2015年12月13日

ナポレオンの思い出(2)

 この記事は、Trick-taking games Advent Calendar 2015 の 13日目にあたるエントリーとして書きました。
(なお表題が(2)となっているのは、Trick-taking games Advent Calendar 2015の6日目のエントリー、さとさんが書かれた「ナポレオンの思い出」を受けてのものです。悪しからずご了承ください。)

 こんにちは、うぃりあむです。
 このブログは主にアナログゲームのヴァリアントルールなどを中心に書いておりますが、今回はちょっと毛色を変えて、昔話をしてみようと思います。

 タイトルにある「ナポレオン」、初めて出会ったのは高校生の時でした。私は2015年の今現在、大学生と高校生の息子二人を持つ親父でありますので、すでに30数年の月日が経っていることになります。しばらくプレイできてないナポレオンですが、もっとも好きなトランプゲームの一つであることは長い年月が経った今でも変わりありません。今回の記事では、高校生当時の記憶を蘇らせつつ、ナポレオンの楽しさを紹介できればいいなと思っております。

 最近は「トリックテイキング」や「トリテ」なんていう言葉も、アナログゲームの愛好家の間ではすっかり一般的になったのではないかと思いますが、私の高校生当時はそうした用語は全く知らずにナポレオンのルールを覚えました。今回はできるだけ「トリテ用語」を使わずに稿を進めたいと思っておりますので、あしからずご了承ください。


1. ナポレオンとは

 まずはナポレオンのルールを簡単に紹介してみましょう。まぁこの記事をお読みのみなさまは、ナポレオンに興味を持たれた段階で、インターネット上に転がっているルール解説などを検索できる方ばかりだと思いますので、詳しいルールの解説はいたしませんが、おおむね次のようなルールのトランプゲームです。なおルールは私たちのグループが遊んでいたルールですので、若干のローカルルールが含まれると思いますので、そこはお含み置きください。

・4から5人で遊ぶ。最適は5人。
・使うカードはジョーカーを含む53枚。
・4人なら12枚、5人なら10枚ずつ配り、残ったカードは裏向きに中央におく。
・各プレイヤーは、20枚ある絵札(10,J,Q,K,A)のうち何枚取れるかを、切り札のスートとともに宣言する(「競り」。宣言の方法は例えば「ハートで15枚」とか)。もっとも高い宣言をしたプレイヤーは「ナポレオン」となる。宣言が同じ枚数の場合、切り札に指定するスートによって優劣が決まる(スペード>ハート>ダイヤ>クラブ)。
・ナポレオンとなったプレイヤーは協力者である「副官」をカードで指名(例えば「スペードのA」)、中央に置かれた3枚または5枚を手札に加え、同数の不要なカードを捨てる。
・最初はナポレオンが台札を出す。他のプレイヤーは時計回りに1枚ずつ出すが、台札と同じスートを持っている場合はそのスートのカードを出さなければならない。
・一巡して一番強いカードを出しているプレイヤーが、その巡で出された絵札のみを手元に置き、ほかのカードは捨て札にする。
・カードの強弱は原則として、オールマイティ(スペードのA)>ジョーカー>正ジャック(切り札のJ)>裏ジャック(切り札と同色のJ)>切り札>台札。台札のスートが複数枚出された、または切り札が複数出された場合、2から10,J,Q,K,Aの順に強くなる。
・前の巡を勝利したプレイヤーが次の巡の台札を出し、以降手札がなくなるまで同様にプレイする。
・すべての手札を出し終わった段階で、ナポレオンと副官がとった絵札の合計が、競りでの宣言以上ならナポレオン軍の勝ち、宣言未満ならほかのプレイヤー(「連合軍」)の勝ち。

 ざっとこんなルールです。もともと「ナポレオン」は英国で生まれた別のルールのゲームがあるため、「ナポレオン・メイド・イン・ジャパン」と呼ばれることもあります。また数々の「魅力的な」ローカルルールが存在するため、実際に遊ぶ際にはどのローカルルールを入れて遊ぶのか、事前に確認しておくのがよいでしょう。


2. うぃりあむ的ナポレオン用語辞典(笑)

 本稿はナポレオンの思い出を語るというテーマで書いておりますので、ナポレオンの楽しさを伝えるべく、ナポレオンの用語を、当時使っていた略語なども交えて、戦略やローカルルールなどいろいろと解説してみようと思います。

オールマイティ スペードのA。スペキュレーションとも呼ばれるらしいが、呼ばれているのを聞いたことがない。53枚中もっとも強いカードであるが、ローカルルールによってはジョーカーの方を強くしている場合もある。
(私はマイティ最強が好みです。)

マイティ オールマイティの意。

ジョーカー オールマイティの次に強いとするルールが一般的と思えるが、さまざまなローカルルールが存在する。台札として出した場合「切り札請求カード」となり、切り札のスートを出したことになる。なお台札以外で出す場合、手札に台札と同じスートのカードを持っている場合、ジョーカーを出せるルールと出せないルールがあるようである。
(私が遊んでいたのは前者です。マイティに次ぐ2番目に強いカードでなおかつスートに縛られないことから、台札請求よりも終盤の勝負まで温存しておくことが多かった記憶があります。)

せいジャ【正ー】 切り札のJ。表ジャック、表(おもて)とも呼ばれる。
(正ジャが副官に指名された場合、ナポレオンはマイティとジョーカーを持っていることになり、強いナポレオンであると言えます。)

うらジャ【裏ー】 切り札と同色のJ。
(裏ジャが副官に指名された場合、ナポレオンはマイティとジョーカーと正ジャを持っていることになり、相当強いナポレオンであると言えます。)

たつ【立つ】 ナポレオンになること。
(用例としては、配られた手札をみながら否定形で「これじゃ立てない」とぼやくことの方が多い気がします。)

パス ナポレオンを決定する際、宣言をパスすること。一度パスをすると以降の宣言に加われないのが標準的なルールに思えるが、そうでない場合もあるので、事前に確認が必要。
(ジョーカーやジャックなど強いカードを持っているのに副官狙いで立たない、というのも戦法の一つです。)

ふくかん【副官】 ナポレオンの協力者。カードを指定し、そのカードを持っているプレイヤーが副官となる。
(カードで指定するため、正体隠匿要素もあるのがこのゲームの大きな特徴でもあります。副官は連合軍に悟られないようにしつつナポレオンに協力しなければなりません。副官を指名する際は、通常自分がもっていないもっとも強いカードを指名します。)

ひとりだち【一人立ち】 ナポレオンが最初に引き取る場札に、副官に指名したカードが含まれていること。ナポレオンは他のプレイヤー全員を敵に回さなくてはならなくなる。
(もちろんナポレオンはその事実をあかさずにプレイする訳ですが、プレイヤーによっては容易に表情から読みとれてしまうので注意が必要です。ナポレオンが「助けて副官!」といったセリフを吐いて、1人立ちを悟られないようにすることも重要な戦法です。)

しょてマイティ【初手ー】 ナポレオンが最初の台札をオールマイティにすること。
(スペードで立ったナポレオンの手札に切り札が多いときに使います。連合軍の残りの切り札を出させてしまって、後の展開を有利にしようというのが狙いです。ほかのプレイヤー一人にスペードが固まっていて大失敗につながることもあります。)

セイム・ツー 同一巡ですべて同一のスートのカードが出された場合、2が最強になるルール。オールマイティ、ジョーカー、正ジャック、裏ジャックが出された場合は適用がなくなるのが一般的。ローカルルールによっては、最初の巡では適用がない場合もある。
(弱者が強者を食うケースが生じる、このゲームの魅力の一つでもあります。まだ手札の多い序盤のうちに2を台札で出すとトリックが取れる可能性が高いので、2の主戦場は序盤ということが言えますが、終盤でセイム・ツーで絵札がかっさらわれた時の悔しさったらありません。)

よろめき オールマイティとハートのQが同一巡に出された場合、ハートのQが最強となるローカルルール。比較的一般的に採用されているようである。
(松任谷由実のアルバム「REINCARNATION」に収録されている「オールマイティ」という曲の歌詞にも登場するシチュエーションです。曲を聴くたびにニヤリとさせられます。よろめきのルールそのものは、実は私はそれほど好きではありません。カードの順位がちょっと煩雑になりすぎるかな、という感じがしてます。)

ふくかんいびり【副官いびり】 副官プレイヤーが明らかになっていない時点で、連合軍プレイヤーが副官カードと同一のスートを台札として出すこと。
(副官プレイヤーが序盤に明らかになってしまうと連合軍はかなり有利になるためこの手を頻繁に使いたいところですが、副官がマイティで切り札がスペード、あるいは副官が正ジャックの場合は切り札を台札として消費しなければならないため、この戦法がとりにくくなります)

みつぐ【貢ぐ】 副官が、ナポレオンが勝てそうな巡で絵札を出すこと。例:「おまえ、貢いでるだろう」
(副官が明らかになっていない場合でも、副官とおぼしきプレイヤーの感情をゆさぶるためにこのような言い回しをよく使いました。)


 いかがでしたでしょうか。まだまだ語り足りない気もしておりますが、長くなってきましたのでこのあたりで締めたいと思います。ナポレオンは何しろ古いゲームですが、今でもツィッターなどで「ナポレオン遊んでみたい」といった意見も散見されますし、トランプ好きな方、トリックテイキングゲーム好きな方なら遊んでみるときっと楽めると思いますので、是非一度経験されることをお勧めして、今回の稿を終了します。

Trick-taking games Advent Calendar 2015、次のエントリーはボードゲーム倦怠期のタイシンさん(@shzwtk)です。
posted by うぃりあむ(Twitter:@william_vets) at 00:00| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

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